調停離婚について
調停離婚とは
夫婦間での離婚に向けての話し合いが平行線だったり、そもそも話し合いすらできない場合、協議離婚ができません。
そのような場合に離婚を望む配偶者は、家庭裁判所に「夫婦関係調整調停(離婚)」という調停を申し立てる必要があります。
「調停離婚」とは、この調停の場で成立する離婚のことです。
調停は、家庭裁判所の「調停委員」という第三者が仲立ちになって、夫婦の話し合いの場を提供するというイメージで、何かを強制したり、強制されたりする場ではありません。
夫婦関係調整調停は、統計によれば年間5万件近くの申立てがされており、多くの人に利用されている手続です。
なお、調停を申し立てても相手方が話し合いに応じる見込みがないことが分かっていても、いきなり離婚の裁判を起こすことはできません。
裁判を起こせるのは、まず調停を試みて、調停が不成立だった場合に限られます(例外があります。)。
離婚調停のメリット
1. 離婚の話し合いに中立な第三者が関与します
夫婦2人だけで離婚の話し合いをすると、夫婦間の力関係の優劣から、無理な要求をされたり大切なこととそうでないことの区別がつかず、話し合いが進まなくなったりすることがあります。
そのような場合に、知識があり、中立な立場の調停委員が間に入って話し合うことで、適切な内容で離婚できる可能性が高くなります。
2. 調停で決めたことについて当事者に対する法的拘束力があります
離婚調停が成立した場合、家庭裁判所が「調停調書」という書類を作成します。
調停調書には、当事者が離婚したことの他、合意ができれば、主な事項として、
- 親権
- 養育費
- 財産分与
- 慰謝料
- 年金分割
について記載してもらうことが可能です。
そして、この調停調書に記載された事項には強い法的拘束力が認められているので、相手方に約束を守ってもらえる可能性が高くなります。
調停離婚の際に弁護士に相談・依頼するメリット
- 調停離婚の際に決めるべき事柄や進め方についてアドバイスします。
- 親権について争いがある場合、法律の考え方や過去の裁判例等を踏まえた上で、当方の主張を書面にして、主張の裏付けとなる資料を家庭裁判所に提出することがあります。
また、相手方の主張に反論したり、資料を提出する必要もあります。
このような活動は弁護士に依頼した方が、適切に行うことができます。 - 養育費、財産分与について争いがある場合、同じく当方の主張を書面にして、資料を提出することがあります。金額を算定するために複雑な計算が必要な場合もあります。
また、相手方の主張に反論したり、資料を提出する必要もあります。
このような活動は弁護士に依頼した方が、適切に行うことができます。